2020ー21年梅雨豪雨

技術士(応用理学)横井和夫


  今年9月中国南部芬河の洪水。中国では今年6月にも大雨が降り、各地で洪水が起こっている。中国では洪水の多発は、支配者・政治不信ー人民の暴乱ー王朝崩壊に繋がる第一歩。習近平も気が気じゃない。最近相次ぐ規制強化はその所為か?
 写真中央の橋梁は鉄道橋でしょうか?それにしてもやけに橋脚の数が多い気がする。橋脚が多いと、そこで河積が小さくなり、上流にバックウオーターを作る原因になる。上部工を鋼製桁とか橋の構造をPCラーメンにすれば、7もっとスパンを跳ばせ、洪水対策にもなる。しかしこういう箸も共産党や軍の利権だから、合理化は難しいのだろう。
(21/10/15)

九州中部に停滞する梅雨前線による豪雨に備えて、熊本県地方には特別警報が出されています。この前線は遠く中国南部に延び江南地方にも竜巻などの被害を出しています。中国と日本の気象は一体で繋がっているのです。又三峡ダムが事前放流を開始しました。中国政府は昨年の失敗を繰り返したくなかったのでしょう。
 では日本政府はどうでしょうか?近年の豪雨災害で常に指摘されるのが、上流ダムの緊急放流で被害が拡大したことです。これは河川管理者・・通常は国土交通省・・・がギリギリまで放流を決断しなかったことが原因です。しかし一昨年の岡山倉敷市真備水害や昨年熊本人吉水害を受けて、昨年やっと国交省も事前放流を認めることになりました。
 事がギリギリになるまで逡巡して決断せず(出来ず)、決断したときは既に遅く事態は急変する。明治維新でも徳川幕府はギリギリまで決断できず、結局薩長に政権を乗っ取られててしまった。かつての太平洋戦争や今の新型コロナ感染対策やオリンピック開催問題もこれとそっくりです。
 何故日本人はギリギリまで決断できないのか?中世戦国までの日本人はこんなのではなかった。それが逡巡・不決断主義に落ちいたのは徳川幕府が儒教に基づく秩序優先・建前形式重視主義を主に置いたからだろう。こういう体制下では結果よりそこに至る順序、形式が重視される。この結果、何をやっても重箱の隅を突くような評価があって、少しでもミスがあれば、結果がどうであれマイナス評価になる。これでは誰も何もしなくなる。これを止めようというのが明治維新のはずだったが、20年も経たずに官僚主義は復活。その結果生れたのが役人は誰も傷つかず、互いに助け合う役人互助会。一体明治維新とは何だったのか?
 ところが中国はそうではない。中国は日本以上の官僚国家だが、日本と違って互いに助け合うことはない。全てライバルである。むしろ党派を作ってむき出しの抗争をする。相手にやられる前に何かしなければならないから、決断主義に流れるのである。日本の役人は政府与党にペコペコさえしていれば立身出世は可能だが、中国ではそうはいかない。一歩間違えると、自分だけでなく一族・・・九族と云うのもある・・・みんな破滅するのである。三峡ダム事前放流も一族を守るためなのだ。さて中国と日本どちらが良いでしょうか?
(21/05/21)

 日本も遂に梅雨入り、だけでなく、九州では猛烈な雨が降っている。その原因は左の図に示す様に、日本列島南岸に停滞した梅雨前線。これは遥か中国大陸南部に延びている。これが数日前、中国南部を襲った洪水の原因でしょう。
 このように日本列島西部から中国大陸に延びる前線を伴う気象配置は、昨年北九州豪雨をもたらした気象パターンとそっくりです。ということは今後もこういうことが常態になる。今後の防災計画はこれを前提とし、日本国内の気象統計だけに頼ってはならないということだ。東アジア全体を視野に入れなけれならない。
(21/05/17)

 日本じゃ未だ梅雨に入ったばかりなのに、早くも洪水が出た中国雲南省。画面右が氾濫した川。河積が足らないのは顕か。果たしてこれは想定外の降雨があったのか、それとも河川計画が杜撰だったのか?中国では河を治めるのは帝王の義務。これに失敗した帝王は天帝の怒りを買って放逐。習近平も気が気ではないだろう。
(21/05/16)

あれこれすったもんだの挙句やっと決まった川辺川ダム。すったもんだがこれで終わるとは限りません。ダム計画で一番重要なのはダム軸の決定です。ダム軸部の岩盤が不安定であれば、ダムの安定性やコストに直接影響します。そこで私なりにダム軸案を考えてみました。

 まず①案は写真の中央付近にあるので、何となく今の本命案のような気がします。しかしここでは両岸に明らかな地すべり地形が見られます(図中破線)。地すべり対策が高くついて、大滝ダムの様に何時になったら出来るか分からなくなる。従ってアウト。
 上流の②案は両岸ともに急斜面で、地形上はダム軸として問題はない。おそらく岩盤も安定しているでしょう。コンクリートダムならこれが最適。
 ダム形式をロックフィルにして①②案の中間の谷にダム軸をぶつける案もあります(②′案)。これはダム軸の掘削が少なくて済むという利点がある。昔々、奈良県布目ダム調査の時に水資源の係長に教わった。
 そしてまさかこれはないと思うのが、最下流の?案です。ネットに出てくる写真ではこの位置が画面の真ん中に出ることが多い。だからこれが今のところの本命案かもしtれない。ダム技術者の目では論外ですが、コワモテ地権者がいて、うちの土地を買って貰わねばダムは作らせない、なんて話があるのかもしれない。
(20/11/20)


 ゾンビの様に復活した川辺川ダム。オッサンが指さすのはダムの湛水地。川の中央に砂州(デユーン)があります。これは今年7月豪雨で出来たものでしょう。デユーンの方向から川は左上手が上流、ダムサイトは撮影位置よりもっと右下になります。写真奥の橋梁は湛水地を横断する連絡橋。道路の付け替えや移転集落の交通手段でよく作られる。山の中を走ってると突然こういう立派な橋が出てくるので面食らうことがよくありますが、あれはダム補償物件。
(20/09/23)


「人吉水害対策・・・ではどうすればよいか!?」
 自称専門家の藤井某の過ちは、66年間の環境の変化と技術の進歩を無視し、66年前のレベルでしかものを考えていないことです。推理小説では犯人はその事件で最も利益を得るもの、あるいは作者がわざと隠している人物というのが通り相場。
 そもそも洪水対策には大きく、1)止水(貯水)方式と、2)排水促進方式とがあります。1)の代表的なものが藤井が一押しのダムです。66年前の10案を見ると、ダム以外の諸案もみな似たようなものです。要するに人吉に降ってきた雨はみんな人吉で処理しようということだ。何故そうなるのか?おそらく封建時代に遡る人吉地域と下流の八代との力関係が影響しているのだろう。河川行政では下流の言い分が優先される。それは江戸時代になって国政の基本が極端に農本主義になったためである。日本農業の主流は稲作農業。稲作に適するのは河川下流の沖積平野。これを支配する農民・・・とそれをバックにする大名・・・の言い分がまかり通る。明治維新になってもこの構図は変わらなかった。それどころか富国強兵路線で更に強化されたのである。
 これに対する方法が2)排水促進方式だ。冒頭に上げた亀岡盆地に於ける保津川開削はこの一つ。但し保津川程度の河道掘削で世の中が収まるわけはない。筆者が20年前辺りから主張しているのが大断面排水路トンネル。
 昨年の台風19号関東大洪水で八ッ場ダムが注目されましたが、これが機能したのは、台風が通過したのが偶々ダム竣工直後で漲水地が空だっただけ。仮に運用中であればあんなにうまくはいかない。それと首都圏が洪水を免れたのは、八ッ場ダムより春日部地下の大規模地下貯水池と第二神田川などの地下河川によるところが大きい。つまり排水機能を強化た方が有効ということだ。
 筆者が筆者が考えているトンネルルートは下図のようなもの。人吉から八代海(芦北町)まで直線で30㎞。66年前ならびっくりしただろうが、現代では恐れる必要はない。トンネル工法は遥かに進歩している。ルートに沿って国道があるので、これを利用して斜坑を入れ全体を3~4工区に分ければ一工区当たり7~8㎞。準備工事を含めても10年で出来る。

 トンネル断面を二車線道路並みとして100㎡とする。掘削費はm当たりざっと70万円。本体だけで210億、関連を含めてざっと250億、諸経費40%として100億。つまりトンネル案なら10年350億で出来上がる。ダムでは、最初の目論見通りいったためしはない。又トンネル全体の体積はおおよそ300万m3。つまり一時的にも300万m3の水を貯えることができる。なお66年前の対策案ではトンネル案は総工費5700億円、工期45年になっているが、どこからこんなべら棒な数字が出てきたのか?ひょっとしてトンネルルートをわざわざ球磨川沿いに遠回りしたり、片押し施工としたのではあるまいか?建設省はよくこんな見え透いた嘘をつく。
 無論これだけでは将来の温暖化による豪雨を処理できる保証はない、といわれればその通りだが、それは川辺川ダム案でも同じである。トンネル案の都合の良いことはまず用地買収の必要がない。次に大深度法を適用すれば、トンネル土被りうを40m以上に計画しておけば、地方の利権や既得権に影響されずに済むことである。
 これに比べダム案はダム本体だけでなく、用地買収や道路の付け替えその他地域インフラの整備、それに立ち木一本一本までの補償。それらの一々に地元のオッサンや有力者、国会議員までがくっついてくる。これに比べれば環境団体の反対運動など取るに足らない。トンネル案はそれらの有象無象、面倒を全てスルーできる。
 なおこのトンネルの断面を平均100㎡(2車線道路並み)とすると全体で内容積はおおよそ300万トン。巨大な地下貯水槽である。又トンネル内流速を平均30m/secに保てれば、約1時間で水は入れ替わる。つまり毎時300万トン(毎秒900トン)のみずをカットできる。今回の熊本豪雨での人吉盆地への流入量は毎秒7~8000トンとされるから、その約1i割を調整できることになる。これで不足なら上流に調整池なり遊水池で補足すればよい。それでも川辺川ダム一つに頼るよりは経済的だろう。
(20/08/04)

2020年人吉洪水対策案-2
 7月熊本豪雨後のある土曜、某関西ローカルテレビトーク番組を何気なく見ていたら、藤井ナントカという評論家が人吉水害について、とうとうと持論を述べ立てていた。この人物京大土木イ陰卒で自称河川工学と土木計画学が専門。本当かね?只の吉本芸人じゃないのかというのが筆者の印象。
 藤井の曰く1)治水の基本はダムである。2)66年前の人吉豪雨の後、10案位の対策案が出てきたがそのなかで唯一採用されたのがダム案(=川辺川ダム)である。66年も前にこんな案が出ているのにそれを採用してこなかったのが間違いの素だ。3)ダムなら治水だけでなく発電もできる。半世紀前ならこんな与太話も通ったたかもしれないが、21世紀の今となってはアナクロナンセンスとしか言いようがない。
 まず1)の治水の基本論だが、ダムが治水の基本だ、なんて誰が言ったのか?「河川砂防技術基準」の何処にもそんなことは書いていない。むしろうっかりそんなことを書いたら周りのアンチダム屋から総すかんだ・・・土木屋の中にも結構ダム嫌いはいる。多分学部あたりで保守的な教授がそんなことをいったもので、それが頭に刷り込まれただけだろう。
 2)の66年前の対策案だが、藤井は10幾つもの案の中で最後に採用されたのが川辺川ダムだからこれが最も優れているのに決まっていると、単純な多数決原理。今のアベ政権や維新のインチキ政策そのままである。
 この点から見ても、藤井が土木の素人か嘘つきであることは明らかである。筆者の見るところ、当時建設省は初めからダムありきでことを進めていた。ただそれだけで行くと、あれこれ上手くいかなくなることもある。例えばダムで行くと公共事業で潤うのはその流域と大手のゼネコンだけだ。逆に遊水池や堤防嵩上げ案は恩恵は人吉市全体や地元ゼネコンにも及ぶ。
 球磨川治水という大事業なら関連業界が限りなくある。初めから方法を一つに絞れないから、あちこちから意見を集める。その殆どはろくでもないものだ。それが10案にもなったのである。何も10案全てを真面目に検討したわけではない。初めから答えは決まっていたのだ。しかし世の中簡単ではない。その内環境問題なんかが出てきて息詰まる。そんなこんなが国会議員にも影響してストップしてきたのである。
 3)これは半分余興かもしれないが、藤井は最後に水力発電を持ち出してきた。こんなセンスで土木計画の専門家と云えるのでしょうか?発電は利水、洪水調整は治水。お互い矛盾する概念である。そのためこれまで失敗を重ねてきたのである。利水と治水を兼ねたダムが多目的ダムだが、これの運用は水利権者に優先権がある。従って利水が優先され、治水は遅れる。これまでの洪水事故で目立つのは、上流の利水ダムの緊急放流のため洪水被害が拡大した事例である。現在の中国大洪水でもダムの緊急放流のため、下流に甚大な被害を及ぼしている。三峡ダムの緊急放流により、下流の湖北省だけで数千万人の被害が発生していると云われる。藤井は未だ懲りないのかね。
 ではどうすればよいか?
(20/07/30)

2020年人吉洪水対策案-1
 20年7月豪雨でとりわけ被害が大きかったのが熊本県人吉市。人吉市は九州山地の中央人吉盆地の中にあり、その中央を球磨川が西流する。球磨川は盆地を出ると急流となって九州山地を駆け下り、八代で八代湾に注ぐ。
 人吉盆地は内陸盆地で、下流の球磨川がボトルネックとなり、おまけに球磨川が激しく曲流するからバックウオーターを作りやすい。その結果しばしば洪水を起こす。こういう地形は関西では亀岡盆地がよく似ている。亀岡盆地も丹波山地の中に生じた内陸盆地で、流出口は保津川しかない。保津川も中流で曲流しているから、昔はしばしば洪水を起こした。
 江戸時代後期、亀岡では養蚕業が盛んになり、採れたマユを京都に運ぶ必要が出来た。従来は丹波街道を荷車で運んでいたがこれでは効率が悪い。そこで京大阪の商人が資金を出し、亀岡の農民が労働力を提供して保津川の河道掘削を行った。この結果、舟での輸送が可能になると同時に河川断面が大きくなって洪水も減り、亀岡の経済も潤ったのである。明治になって鉄道が出来ると舟輸送はすたれたが、逆に保津峡下りの観光産業を産んだ。今の保津峡下りができるようになったのは、亀岡の洪水対策のお陰だったのだ。
 しかし戦後高度成長期に入り亀岡盆地周辺の開発も進めば、保津川の河道掘削だけでは洪水対策にはなりえない。上流にダムを作ったり広域下水道を整備することにより不測を補っているのである。しかしそれも亀岡盆地に対してだけであり、下流の京都には効果はない。その結果数年前の京都南部豪雨で、京都市南区・伏見区を始め桂川下流に大洪水被害を及ぼした。但し筆者はこれは巨椋池の干拓や、高速道路の建設で遊水池を潰してしまった所為ではないかと考えている。それは別にして、内陸盆地の洪水対策について、現代で亀岡の例をそのまま踏襲は出来ないが参考にはなる。
(20/07/12)


 R02九州豪雨で俄かに注目されだした熊本県川辺川ダム候補地点。写真がダムサイト予定地でしょうか?あまり良い地点とは言えません。どうしてもここで ダムを作りたければロックフィルタイプになります。
 左右岸とも崖錐が厚く堆積しているようなので掘削は入念に行うように。湛水池内にも地すべりがあるはずなので・・・白屋の二の舞にならぬよう・・・その点は要注意。
(20/07/13)


 2020/07/07大雨でのり面が崩壊した京都縦貫道沓掛インター料金所。みんなたかが料金所と思うだろうが、道路会社にとってはこれが潰れると大変だ。何せ現金収入がなくなるのだから。それはさておき、こののり面、勾配から見て切土は明らか。地山は何かと思うと、褐色の均一な地層。一見花崗岩が風化したマサに見えるが実態は第四紀大阪層群の砂。大阪層群の砂も粒径が揃った粒度分布が悪い。完全に地下に埋まっている状態なら問題はないが、このように地表に暴露され年月が経つと、このように表層崩壊を起こすことがあるという例。
 そもそも法面勾配はおおよそ1:0.5位か?大阪層群としてはとしてはきつ過ぎる。通常は1:0.8程度。上の山陰道との関係でこうなったのなら致し方ないが、その場合はロックボルト等の法面補強対策を併用すべきである。まして直上に山陰道があるのだからなおさらだ。
 筆者が現役で高速道路対応をやっていたならもう少しましなことをしていたと思うが、段々とやることが雑というか、教科書的になってきたのだろう。
(20/07/09)

 中国浙江省のあるダムが放流を開始しました。このあたり先月から雨が続いている。従ってこの放流はダムの水位が危険段階に達したからでしょう。今回の豪雨に対し地球温暖化の結果と見る向きは多い。その影響は否定しませんが、地球温暖化は全地球規模で起こるもの。それならヨーロッパやアメリカでも同じことが起こってもよいはずだがそうではない。つまり地球温暖化の環境への影響は地域性があるということだ。
 筆者は今回の豪雨の真犯人は「三峡ダム」ではないかと目を着けている。一般に温室効果ガスとして、まず一番に槍玉にあげられるのが二酸化炭素である。しかし最強の温室効果ガスは水蒸気である。中国では改革開放以来多数のダムが建設されている。その中には日本の対中ODAによるものも少なからずある。三峡ダム自身、世銀融資を通じて日本の資金も入っている。
 温暖化が始まればダムからの蒸発産量も増えるから温暖化は更に進む。日本やヨーロッパのようなちゃちなダムでは影響は大き器はないが、中国のような超大ダムでは無視できない。大気中の水分量増大は低気圧や前線を産む元になる。これが地域的な帯状降水帯を作る。現在エチオピア青ナイルで巨大ダム建設が進行中だが、これが出来ると東アフリカの気候も随分変わるだろう。それが長と出るか半と出るか誰にも得分からない。
(20/07/08)

 九州を中心に停滞前線に伴う豪雨で大被害が出ています。同じ前線は中国南部長江沿いに延び、中国湖西、湖北州省を中心に大洪水を及ぼしている。これに加え三峡ダムが放流したものだから被害規模は拡大し、日本どころではない。三峡ダムが放流するということは上流の四川省でも大雨が降っているということだ。
 日本の被害は停滞前線に対し対し南シナ海で発生した低気圧が次々と通過し、それに向かって太平洋から湿った空気が流れ込む。それが日本の急峻な山地に衝突して雨を降らせている結果と考えられる。
 では中国はどうなのか?前線が停滞したとして、長江下流では南シナ海から湿った空気が流れ込むのはわかる。しかし日本のような目立った山はないから大雨にはならないだろう。まして上流では南シナ海からの空気が流れ込むとは考え難い。一つ考えられるのが三峡ダムの存在だ。
 日本のような小さなダムでも地域的な気象に影響を与える。例えばダムが出来ると、その周りでは夏は涼しく、冬は暖かく感じられる。これはダム湖の水が蒸発し、周囲の空気の水分密度が高くなる所為である。水は比熱が大きいから季節による気温変化が少なくなるのである。
 三峡ダムのような巨大ダムになると、そこからの水分蒸発散量も馬鹿には出来ない。特に地球温暖化で今年の蒸発散量は例年に比べ大きくなったと考えられる。それが日本まで続く停滞前線を作り、低気圧を産み、下流に大被害を及ぼした。てなことを私が中国ネットに投稿したら、これも中国分断工作だ、で摘発されるのでしょうか?
(20/07/07)

今回の熊本豪雨をもたらした梅雨前線。これをよく見ると、日本列島南から中国大陸南部、丁度長江沿いに停滞前線となって伸びていることが分かります。これが現在中国四川、湖西、湖北省地域に洪水被害をもたらす原因です。日本と中国はこんなところでも繋がっているわけです。なお中国東北部にも低気圧が見えますが、これが中国北部での大雨の原因でしょうか?
(20/07/05)